多くの企業で取り入れられているリモート研修。
リモートで研修を実施することで様々なメリットを得られます。
しかし一方で、リモートで研修を行うことに難しさを感じる場合も。
そこで、この記事ではリモート研修を行う際のコツをご紹介していきます。
リモート研修のコツや注意点をしっかり押さえて、効果的な研修を実施しましょう。
目次
リモート研修は難しい?
多くの企業で取り入れられはじめているリモート研修。
リモートで研修を実施すると多くのメリットが得られる一方で、リモート研修に関するノウハウがない場合、困難に出会う可能性もあり注意が必要です。
リモート研修の現状
新型コロナウイルスの影響により格段に普及したリモートでの研修や勤務ですが、働き方改革やリモートで実施することにより得られる様々なメリットから、それは定着しつつあります。
株式会社manebiが2021年に実施したアンケートでは、6割もの企業が「今年の新入社員研修はリモートで行う」と回答している結果からも、多くの企業がリモート研修を取り入れ始めていることが伺えます。
しかし、リモート研修にはメリットだけでなくデメリットもあり、企画・運営側はデメリットも理解し、トラブルが起こったり、悪い影響ばかりが出たりしないよう対処しなければなりません。
リモート研修ならバヅクリ
リモート研修に関するノウハウがないと、研修内容を考えるのに時間がかかったり、研修を実施する際に様々なトラブルに出会う可能性が高くなります。
リモートで研修を実施したことのない組織は、まず社外サービスを利用しリモート研修を実施すると安心です。
研修やチームビルディングのためのプログラムなどを実施できるバヅクリを活用することで、企画から運営までをお任せできるので社内負担を90%削減することができます。
バヅクリの研修・イベント実施回数は800回以上。
各講座、プロがMCやファシリテーター、講師を務めるので、盛り上がる研修をデザインしながらも、しっかりと学ぶことが可能です。
リモート研修のメリット・デメリット
それではまず、リモート研修のメリットとデメリットを見ていきましょう。
この2つを理解することで、リモート研修のコツが掴みやすくなるはずです。
メリット
リモート研修の1番のメリットと言えるのが、場所にとらわれることなくどこにいても研修に参加できることでしょう。
そのため住居地に関わらず、都心に住んでいる社員でも、地方に住んでいる社員でも、同じ質の研修を受けることができます。
また、感染症の流行下では感染対策にもなり、安全性も確保できます。
その他、プログラム内容に合わせ、配信型の講義と動画学習を組み合わせることで効率よく学びを進めることができます。
オンラインでの営業や、リモートワーク下でのコミュニケーション方法など、画面越しだからこそ実践に近い形で行えるロールプレイングもあります。
また、企業側は会場費、交通費、宿泊費などのコストを削減できます。
デメリット
リモート研修はしっかりプログラム内容を考え設計しないと、ただ動画を視聴しているだけの時間になりがちです。
そのようなリモート研修では、研修の最後まで参加者の集中力が続かない可能性が非常に高いです。
1日中、参加者の集中力が続く研修を行うのは、想像よりもハードルが高いと考えていいでしょう。
また、分からないところを隣の人に聞く、休憩中に雑談をするなどの行動が取れないため、オフラインでの研修と比べ参加者同士のコミュニケーションは減少します。
しかし、プログラム内容や研修の進め方を少し工夫することで、解決することはできます。
その他、研修プログラムの見直しも必要です。
リモート研修には向かない研修内容もあるためです。
テキストや研修で使用するものをどのように参加者へ送付するかも考えなくてはいけません。
失敗しないリモート研修にするために
デメリットもあるリモート研修ですが、コツや注意点を押さえることで、デメリットを極限まで抑え、メリットを最大限に得られる研修を実施することができます。
少し工夫を加えたり、注意点に気をつけるだけでも大きくリモート研修の効果や、参加者の満足度は変わります。
やり方によってはオフラインでの研修よりも、効率的に学習ができ効果を発揮する場合も考えられます。
ぜひ、コツと注意点を知り、効果的なリモート研修を実施しましょう。
リモート研修のコツ
それではリモート研修のコツを、企画・実施・終了後のフェーズ別でご紹介します。
企画面でのコツ4つ
どのようなテーマで、どのようなプログラム内容にするかが、研修の質や効果、参加者満足度に大きく影響を与えます。
リモート研修では、オンラインという状況・特性を活かし、リモートで業務を行う場合のスキルや、マインドセットを行うことがおすすめです。
実際の状況と近い形で学びを進められるためです。
リモート研修で好まれる企画や、行うといい企画は以下です。
1. 主体性、自律性を高める研修
主体性、自律性を高める研修を行うことで、業務の遂行がスムーズになります。
そのような研修内容を組み込むことで、このリモート研修自体も、自律し主体的に受講してもらえるようになります。
昨今格段に普及したリモートワーク下では、特に主体性や自律性が求められるようになりました。
上司や同僚がすぐ近くにいるわけではないので、自分は自分自身で律し、自分ごととして主体的に業務に向き合うことが、今までよりも求められるようになったためです。
2. コミュニケーションの取り方を学ぶ研修
リモートワークにしろ、オフィスで業務を行うにしろ、円滑な人間関係を築くコミュニケーション方法を習得することはスムーズに仕事を進める上でとても重要なことです。
オフラインでのコミュニケーションと、オンラインでのコミュニケーションは共通する部分もありますが、リモートワークなど様々な働き方が普及しはじめた今、オンラインで行う新しいコミュニケーションの形や、それに合わせたスキルを求められることも多くなりました。
様々な状況に対応できるビジネスパーソンを育成したり、組織の生産性を向上させたりするためには、オフライン、オンラインともにコミュニケーションスキルや知識を、常に新しいものにアップデートしていかなくてはいけません。
研修の中で学んだことを活かしながら、オンライン上でその他の参加者とコミュニケーションを取る機会を提供することで、さらに学びを深いものにできます。
3. テレワークでの仕事の進め方
新型コロナウイルスの流行が普及のきっかけとなったテレワークですが、得られるメリットが大きい点や、働き方改革などによりウイルスの収束後も引き続き取り入れる企業が多いと考えられます。
テレワーク下ではオフィスに集まり業務を行なっている時と違い、人の目がないことでサボりがちになる、トラブルに気づくことが遅れることで対応が遅れてしまうなど、課題もあるのは確かです。
テレワーク下での、モチベーションの保ち方、トラブルの回避方法や起きた際の対応の方法などを学ぶことで、テレワークでもオフィスで仕事をしている時と変わらない生産性で業務を遂行できるようになります。
業種によってはテレワークの方が格段に生産性が向上する場合もあります。
4. タイムマネジメントに関する研修
自宅などからリモートワークを行なっていると、ついダラダラと仕事をしてしまう人が多いものです。
ダラダラと長時間仕事をすることで、生産性が下がる、寝不足から健康面に影響が出るなどのデメリットが出てきます。
タイムマネジメントに関する研修を行うことで、リモートワーク下でも自分自身でスケジュールを管理し効率よく業務を進めることができます。
オフィスで仕事をしている際も、生産性を向上させるために必要となるスキルです。
実施に関するコツ7つ
続いて、リモート研修を実施する際のコツをご紹介します。
このコツを押さえ、スムーズにリモート研修を実施することで、参加者満足度の向上が期待できます。
1. 通信環境を整備する
リモート研修を行うにあたり、通信環境を整えてから実施に臨むようにしましょう。
映像が乱れたり、音声が聞きにくかったりする研修は、参加者にストレスを与えます。
研修への集中力や意欲が下がりかねません。
また、企業側の通信環境だけでなく、参加者側の通信環境を整える必要もあります。
リモート研修を実施するにあたり、参加者の自宅の通信環境を整えるための手当を給付する企業もあるようです。
2. トラブル発生時の担当者や連絡手段をあらかじめ決めておく
入室できない、音声が聞こえないなどのトラブルが起こることが考えられます。
ファシリテーターやMCがトラブル対応をすると研修がストップしてしまいます。
そのため、万が一トラブルが起こった場合に対応にあたる担当者と、その担当者に連絡を取る方法を決めておきましょう。
もちろん決めて終わりではなく、参加者に周知することが必要です。
リモート研修の詳細を伝えるためのメールや、参加者が見るチャット・掲示板などに記載しておきましょう。
3. 余裕を持って準備する
はじめてリモート研修を実施する場合、思いもしないトラブルが起こることは少なくありません。
準備は余裕を持って行うようにしてください。
研修当日までに1度テスト配信を行うと安心です。
4. ディスカッションは4人以下で
オンラインでのコミュニケーションは、オフラインの時よりも発言のタイミングが掴みにくいものです。
大人数でディスカッションを行うと1部の人しか発言していない状況に陥りがちです。
グループワークやディスカッションの時間はリモート研修の中で、その他の参加者とコミュニケーションを取れる貴重な機会。
できるだけたくさん発言し、コミュニケーションを取ってもらえるよう場を設計しましょう。
ディスカッションを行う場合は4人以下がおすすめです。
Zoomなど通信ツールに搭載されているブレイクアウトルーム機能を利用すれば、少人数のルームを作ることができます。
5. 一方通行にならない
リモート研修はただ動画を見ているだけの時間になりがちだと、先ほどもお伝えしました。
効果的な研修を実施するためには、参加者に受動的な態度ではなく、前向きに当事者意識を持って研修に参加してもらうことが大切です。
発信側の一方通行な研修にならないように気をつけなくてはいけません。
- チャットツールを上手に活用する
- 定期的に発言を求めるなどアクションをしてもらう
- グループワークを行う
などを行い、双方向でコミュニケーションを取る研修を設計しましょう
6. コミュニケーションのルールを事前に決める
一方通行な研修にならないために双方向でコミュニケーションを取れるよう研修を設計することが大事とお伝えしました。
しかし、「リアクションしてください!」「反応してください!」と呼びかけても、「恥ずかしい」「何を言えばいいのか分からない」と反応に戸惑ってしまう受講者もいます。
その場合、例えば
- 理解をしたら手で丸を作り表現する
- 質問がある時は「挙手」のボタンを押す
- 誰かが発言をした時はスタンプでリアクションをする
- 誰かの発言のあとは拍手をする
などとコミュニケーションのルールを事前に決めアナウンスしておくと、スムーズにコミュニケーションが取れ、研修の場や発言することに対する安心感も醸成されます。
7. 動画やライブ配信を活用する
リモート研修には様々な実施方法方があり、大きく分類すると
- 動画型=動画を視聴してもらう方法
- ライブ配信型=ライブ配信で講義を行う方法
の2つがあります。
それぞれにメリットがあり、この2つを上手に組み合わせることで効率的に学習ができるうえ、研修にメリハリをつけることができます。
コミュニケーションを取りながら実施したいプログラムはライブ配信型、分からない部分を繰り返し視聴し学習を進めてほしい場合は動画型で行うといいでしょう。
終了後のコツ2つ
リモート研修を実施し、それで終わりにしてしまうのはもったいないです。
研修後にもフォローやある時間を設けることで、さらに効果的で、参加者満足度の高いものになります。
1. フィードバックを行う
参加者に対しフィードバックを行いましょう。
どこまで理解できたのかを確認するためにテストやレポートを実施するのもおすすめです。
また、参加者からも研修に対しフィードバックをもらうことで、次回の実施までに対処すべき改善点を見つけることができます。
Zoomに搭載されているアンケート機能を利用するなどすれば、簡単に研修に対する意見を聞くことができます。
2. 質問や関係性構築のための時間を作る
オフラインの研修では休憩時間に隣の人と話す時間や、研修後わからない点を講師に質問する時間などが生まれますが、リモート研修では意識をしないとそのような時間を作り出すことができません。
リモート研修ではその他の参加者と自由に雑談ができる時間や、講師に質問ができる時間など「余白の時間」を作ることが大切です。
リモート研修の注意点
リモート研修のコツに合わせて注意点も押さえておくことで、さらに質の高いリモート研修が企画・実施できるようになります。
企画・プログラムの注意点
1. 自分ごととして受講できるプログラムを
リモート研修を受ける受講者の気持ちを考え、自分ごととして参加できるプログラム内容を考えましょう。
リモート研修は画面越しのコミュニケーションや参加が主なので、どこか他人事になりがちです。
自分ごととして考えられるプログラムでないと、前向きに参加してもらえない場合があります。
研修のプログラムを考える前に、アンケートなどを実施し受講者が本当に学びたいことを調査することで前向きに参加できるプログラムを設計できます。
リモート研修実施の注意点
1. リアルタイムを大切に
先ほどリモート研修は、動画を視聴する方法とライブ配信を行う方法があるとご紹介しました。
ライブ配信で講義を行う場合、参加者に質問を投げかける、アクションをもらうなどし、リアルタイムで実施していることの特性・メリットを活かすようにしましょう。
コミュニケーションを取らないライブ型の講義は、ただ動画を視聴している時と同じになってしまいます。
2. コミュニケーションの方法などに注意
リモート研修はコミュニケーションの取り方に注意が必要です。
自宅からの参加になることの多いリモート研修ですが、部屋に置いてあるものを話題にするなど、あまりプライベートなことに触れ過ぎないように注意してください。
また、リモート研修実施の記録としてデスクトップ画面をキャプチャで残す場合もあるでしょう。
しかし、参加者の顔や名前が載っている画像をSNSや自社ブログに掲載するのは危険です。
顔や名前にぼかしやモザイクを入れるなどの配慮をしてください。
リモート研修に成功した事例
リモート研修を実施し、成功した企業をご紹介します。
ぜひリモート研修を行う際の参考にしてみてください。
凸版印刷株式会社
凸版印刷株式会社は、2020年4月1日〜5月15日の期間に完全オンラインのみで、新入社員に向けた研修を実施しました。
20人に対して1人の割合でサポーターをおき、手厚いフォローを行うことで参加者満足度99%を獲得。
また、アプリと独自のコンディション教育を活用し、受講生の運動量、睡眠時間を見える化することで、完全オンラインでも生産性を向上させることを実現させました。
研修はオリジナル動画コンテンツや、LIVE講義を組み合わせ、研修後のテストは過去8年間の中で最も高い結果となりました。
凸版印刷株式会社
ソフトバンク株式会社
近年は入社式、新入社員研修共にオンラインで実施をしているソフトバンク株式会社。
パソコンとスマホ(業務用端末)を新入社員の自宅まで送付し、研修を実施しています。
グループワークを行うことで、同期同士での繋がりを作り出すことができました。
参考:リモートネイティブ世代の働き方。入社から1年、彼らはどう乗り切ってきたのか?
ソフトバンクニュース
株式会社ワコール
株式会社ワコールでは、様々な研修や企業での取り組みをオンライン化しています。
例えば、e-ラーニングを中心としたコンテンツを活用し、社員の主体的な能力開発・自己研鑽を支援しています。
その他にも、労働組合では株式会社IKUSAが提供するリモート謎解き「リモ探」を活用し、社員同士のコミュニケーション機会を作り出しています。
IKUSA
リモート研修におすすめプログラム
最後に、リモート研修におすすめのプログラムをご紹介します。
以下のプログラムは、研修やワークショップの企画・運営をお任せできるサービス「バヅクリ」を活用し、実施することが可能です。
1. レジリエンス研修
レジリエンスとは、「心の回復力」のことを指します。
この研修では心の回復力を高める10の方法について、川柳大会などの様々なワークを通し学びます。
グループワークの他、研修の最後には参加者同士で交流する時間も設けられ、良いコミュニケーションの機会にもなります。
2. ビジネスマインド研修
Z世代に向けた研修で「社会人になったんだ」「社会人になるんだ」と、マインドの切り替えを目的とします。
「自社の採用ホームページを改善する」というテーマでワークが実施され、講師が人事部長役となって、受講者の言動、提案に厳しくフィードバックします。
厳しい状況の中では、その人の本質が見えます。
また、困難を乗り越えることで、成長や達成感を感じられるはずです。
3. オンラインファシリテーション研修
オンライン会議では、参加者が集中してくれない、盛り上がらない、1部の人しか発言していない、などと多くの課題が上がってきます。
この研修で、
- オンライン研修特有の準備
- 会議の始め方
- 参加者の多様性を活かしたファシリテーション
を学ぶことで、全員が参加し発言しする会議、多様性を活かした意見交換、コミュニケーションの活発なチーム創りを目指します。
まとめ
リモートでの研修は企業側にとっても、受講者側にとっても様々なメリットをもたらします。
しかし、リモート研修に関するノウハウがない場合は、企画に時間がかかったり、実施しても思うような効果が得られなかったりする場合も。
新たにリモートでの実施に合わせた研修を作り出すことで、社内コストが大幅にかかることもあるでしょう。
その場合は、研修を内製するのではなく他社サービスを利用することをおすすめします。
実施方法によってリモート研修は、オフラインでの研修よりも効果的な研修を実施できる可能性が十分にあります。