「ストレスに弱い社員が増えているので、いい対処方法を学んでほしい」
「ストレスをうまく解消できない社員が多く、離職率が高まっている」
など、社員のストレスマネジメントスキルに課題を感じている企業の経営者・人事の方も多いのではないでしょうか。
生産性の低下やメンタルヘルスの不調を招く過度なストレスは避けなければならない一方、適度なストレスは仕事に欠かせないものです。
個人の成長や成果のためにも、社員一人ひとりがストレスにうまく対処するスキルを身につけることが求められます。
本記事ではストレスマネジメントの概要とストレスマネジメント研修で得られる効果を解説します。
目次
ストレスマネジメントとは
ストレスマネジメントとは、ストレスに対処するための方法論のことです。
ストレスマネジメントのスキルを身につけることで、ストレスの発生を未然に防いだり、ストレスがあっても自分の感情をコントロールしたりできるようになります。
ストレスマネジメントの方法として
- 自分の行動や感情を記録することで自分の心の癖を把握する「セルフモニタリング」
- ストレス要因が発生したときに、ストレスに対する考え方を変えたりストレスを発散したりする「ストレスコーピング」
などがあります。
働く人の7割がストレスを感じている
2019年に厚生労働省が発表した国民生活基礎調査の結果によると、12歳以上の約半数(47.9%)が「日常生活での悩みやストレスを感じている」と回答しています。
また年代別に見ると、男女ともに30代〜50代でストレスを感じている割合が高くなっており、会社を支える働き盛りの世代でストレスを抱えやすいことが分かります。
ストレスマネジメントの重要性
ストレスマネジメントを行うことで「ストレスによる不調に陥る前に、自分で気づいて事前に対処できる」「仕事で安定したパフォーマンスを発揮できる」などのメリットがあります。
またストレス反応に左右されずに行動できるようになるため、幸福度が上昇します。
ストレスマネジメント研修の目的
ここでは企業がストレスマネジメント研修を行う意義や目的、効果を解説します。
ストレスマネジメント研修の目的
ストレスに対する理解を深める
ビジネスパーソンにとってストレスは身近なものですが、ストレスのメカニズムやストレス反応について深く知っている人は少ないです。
ストレスマネジメント研修を行うことで、ストレス対処に関する正しい知識を身につけることができます。
ストレスに対処する力を養う
ストレスを正しく対処できず溜め込んでしまうと、精神的・身体的なストレス反応が発生してしまい、生産性や幸福度の低下にもつながります。
ストレスマネジメント研修でストレス対処の方法を学ぶことで、自分の心身を守りながら健全にストレスに立ち向かえるようになります。
ストレスフルな状況に直面しても感情をコントロールできるようになる
ストレスを感じた際に怒りなどの感情をあらわにすることで発散してしまうと、人間関係が悪化し新たなストレスを生む火種になります。
ストレスマネジメント研修では自身がどのような時に怒りを感じるか理解し、怒りをコントロールする技術を学びます。
これによりストレスフルな状況でも冷静に対応できるようになります。
ストレスマネジメント研修で得られる効果
メンタルヘルス対策の効果的な方法が学べる
ストレスとメンタルヘルスは密接な関係にあります。
ストレスマネジメント研修を行うと従業員のメンタルヘルスの改善に繋がるため、メンタルの不調がきっかけの休職や退職、生産性の低下などを予防することができます。
相手のタイプに合わせたコミュニケーションが身につく
人の性格や行動特性を主導型・感化型・安定型・慎重型の4つの型に分類する自己分析手法をDiSC理論と言います。
ストレスマネジメント研修ではストレスマネジメントの方法だけではなく、DiSC理論に基づいたタイプ別のコミュニケーション術も学べます。
それにより、ストレスを生むきっかけにもなるコミュニケーションの不和を未然に防ぐことができます。
職場でも実践できるストレスコーピングが身につく
ストレス要因への対処法であるストレスコーピングの中には、職場にいながらできるものもたくさんあります。
ストレスマネジメント研修ではケーススタディを行うことで、職場でストレスを感じた際の具体的な対処法を考えます。
これによりストレスコーピングをスムーズに実践できるようになります
ストレスをどのようにマネジメントしていくかが学べる
職場や家庭、友人関係など、多くの人の人にとってストレスは身近なものです。
ストレスマネジメント研修で学ぶストレスマネジメントのスキルは公私ともに活用できるものなので、従業員の仕事の満足度のみならず、人生の幸福度を上げることにも直結します。
ストレスマネジメント研修の内容
ストレスとは
ストレスには自分を成長させてくれる「良いストレス」と、自分の意思とは無関係に過剰な強迫観念に支配されてしまう「悪いストレス」があります。
ストレスの分類を学んだり、参加者同士でストレスに対するイメージをディスカッションしたりしながら、ストレスに対する理解を深めていきます。
ストレスに対する正しい対処法
何をストレスに感じるかは人それぞれ違うものです。
ストレスマネジメント研修ではどんなときにストレスに感じやすいのかを自己分析し、自分にとってのストレス要因を探っていきます。
またストレスの対処法の一つである「発散」の手段を思いつく限り挙げ、実際の場でストレスを感じた際にスムーズに発散できるようにします。
視点を変えポジティブに捉える
ストレス対処の方法として、ストレス要因に対して自分の考え方を変える「情動焦点コープング」があります。
研修のワークでは「上司に叱責された」「業務量が多い」などストレスフルなケースを検討し、ストレスになりうる状況に対してより肯定的に捉えるためのディスカッションを行います。
ストレスを軽減するための対人コミュニケーションスキル
ストレスの多くは人間関係から生まれると言われています。
研修では「言いづらいことを伝えなければならないとき」「誰かに大きな負担をかけてしまったとき」など対人関係の摩擦が起きやすい中でも、最小限のストレスで自分の意見を伝達するコミュニケーション方法を学びます。
ストレスとうまく付き合うための意識・行動宣言
ストレスマネジメント研修でストレスへの対処法を学んでも、実践されなければ意味はありません。
研修の最後に参加者同士で「意識・行動宣言」を行うことで、ストレスマネジメントのスムーズな実践を促します。
ストレスマネジメント研修を提供する会社
ここではストレスマネジメント研修を提供する会社を紹介します。
1. バヅクリ
バヅクリが提供する「オンラインストレスケア研修」は、自分の心の癖を理解した上で、ストレスになりやすい要因を分析し、その対処方法について考えていくプログラムを提供しています。
研修の最後には、学びを通した行動変容を確実なものとするために、参加者同士の相互コミットメントの時間も設けています。
社員のストレスケアにお悩みの方は活用してみてはいかがでしょうか。
2. 株式会社インソース
インソースの「ストレスマネジメント研修」は、ストレスにただ耐えるのではなくうまくコントロールするために、自宅や職場で実践できる具体的なセルフケアの方法やポジティブマインドへの切り替え方を学べます。
産業医による知識習得型の研修ではなく、参加者の内面を引っ張り出すコミュニケーション型の研修のため、よりストレスマネジメントスキルが身につきやすいです。
https://www.insource.co.jp/kenshu/stressmanegemet_top.html
3. アチーブメントHRソリューションズ
アチーブメントHRソリューションズが提供する「ストレスマネジメント研修」は、メンタルヘルスの不調を引き起こす前に、予防的にストレスマネジメントを行う方法を学べます。
5つの基本的欲求やDiSC理論など、心理学的アプローチをベースとした学びを提供してくれるでしょう。
https://achievement-hrs.co.jp/services/stress-management/
4. リスキル
リスキル(旧:リカレント)が提供する「ストレス&アンガーマネジメント研修」は、ビジネスシーンで感じるストレスや怒りをコントロールすることに重きが置かれた研修です。
半日という短い時間で怒りのストレスコーピングと怒りのコントロール方法(アンガーマネジメント)について学べます。
https://www.recurrent.jp/listings/mentalhealth-selfcare-stress
まとめ
本記事ではストレスマネジメントの概要とストレスマネジメント研修で得られる効果を解説しました。
自己流のストレスケアに頼ってしまうと、自身ではストレスが解消できていると思っていても、実はうまく解消できていないという事態が起こります。
また従業員のメンタルが正常に保たれることにより、社内に活気が生まれるとともに、離職防止や生産性向上などの効果も見込まれます。
従業員が正しい方法でストレスマネジメントを行えるようにするためにも、研修を導入するのがおすすめです。