エンゲージメントサーベイは、従業員のやる気や熱意、会社への愛着心などを測定するための調査です。サーベイ実施にあたり、目的の設定・設問の作成・従業員への周知などの準備が必要ですが、それ以外にもサーベイを活用するポイントがいくつかあります。

本記事では、エンゲージメントサーベイのやり方や必要な準備、改善サイクルの作り方、またサーベイを最大限活用するポイントについて解説します。

そもそもエンゲージメントサーベイとは

エンゲージメントサーベイとは、従業員のエンゲージメント(従業員のやる気や熱意、会社への愛着心など)を測定するための調査方法です。

エンゲージメントサーベイは、従業員に対して質問やアンケートを行い、会社や組織に対する意見や感情を集めます。

質問の内容には「従業員が仕事に対してどの程度やりがいを感じているか」「上司や同僚との関係はどうか」「会社のビジョンやミッションに共感できているか」などが含まれます。

エンゲージメントサーベイの調査結果は、企業が従業員のニーズや不満を把握し、改善に取り組むための貴重な情報源となります。

また、エンゲージメントサーベイの結果から、組織課題の改善へと動き出すことで、従業員が自分たちの意見や感情を正当に評価されていると感じ、モチベーションの向上にもつながります。

設問設計

調査の目的やニーズに合わせて適切な設問設計を行いましょう。

また、人的資本開示に対応しているか、項目に過不足がないか、組織開発の専門家や産業医の監修があるかないかなども確認しておくと良いでしょう。

一般的なサーベイツールの設問数は20問から100問以上と様々です。

自社で作成する場合は、設問内容を公開している企業もありますので参考にすると良いでしょう。

調査頻度

調査の目的や回答の負担、改善サイクルのスピード感などを考慮しながら調査頻度を設定しましょう。

調査の頻度としては1ヶ月ごと、3ヶ月ごと、半年ごと、または1年ごとと様々です。

1ヶ月〜3ヶ月に1回の調査の場合、常に組織の状態を把握でき問題に対して迅速な対応が可能となります。頻度が高い分、従業員の回答負担を考慮し設問数を10〜30問程度に抑えることをおすすめします。

半年〜1年に1回の調査の場合は、長期的な組織の傾向や変化を追跡し、戦略的な改善計画を策定することができます。このような調査は、組織全体の状態を評価し、大規模な変更や調整を行うことに活用されています。

そのため調査範囲を全従業員やグループ全体に広く実施したり、設問数も100問以上や、従業員満足度調査・コンプライアンス意識調査などの他サーベイと一緒に実施される場合もあります。

一方で、調査の頻度が低いため、問題に対する迅速な対応は難しくなります。

費用相場

エンゲージメントサーベイを実施する場合大きく3つの方法があり、それぞれ調査にかかる費用が変わってきます。

  • 自社で作成して実施する
  • 代行会社に調査を委託する
  • エンゲージメントサーベイツールを利用する

近年、導入する企業が増えているエンゲージメントサーベイツールは、月額300円/人前後で販売されていることが多いです。

詳しくはこちらの記事をご参考ください。

エンゲージメントサーベイの実施で得られる効果

まずは、サーベイを導入することで得られる効果から見ていきましょう。

サーベイを導入することで、下記のような効果を期待できます。

  • 組織の状態を把握できる
  • 施策の優先順位をつけやすくなる
  • 従業員の声を組織運営に反映できる

組織の状態を把握できる

組織の状態を客観的に把握することが可能となります。

サーベイの結果から、組織内の課題が明らかになり、改善すべき点を明確にできます。

戦略的な方針や施策を立てるための基礎情報を得ることができます。

施策の優先順位をつけやすくなる

施策の優先順位をつける際に役立ちます。

サーベイの結果から、緊急度の高い問題や重要度の高い課題を特定することができます。

適切な優先順位で施策を進めることができるため、効率的な組織改善を可能にします。

従業員の声を組織運営に反映できる

従業員の声を組織運営に反映する有効な手段です。

サーベイの結果から会社と従業員が感じている課題のギャップを埋め、組織の方針や施策に反映することができます。

組織全体の従業員満足度やモチベーション向上にも影響を与えます。

エンゲージメントサーベイを実施する際に必要な準備

調査の目的を明確化

どのような情報を得たいのか、どのような課題や改善点を特定したいのかを明確にしておきましょう。調査の方向性や設問の内容を適切に設定することができます。

また、組織が目指す姿やミッション・ビジョンなどに沿ったゴールを設定しておくこともおすすめします。

設問の作成

調査の目的に基づいて適切な設問を用意しましょう。質問の文章は従業員にとってわかりやすく表現することが重要です。

設問は客観的で具体的であることが望ましいです。作成者の意図する方向に回答を誘導するような設問にならないよう気をつけましょう。

配布の準備

回答方法や配布形式(Webのアンケートフォーム、紙のアンケートなど)を決定し、調査の準備を行います。

配布・回答の手間が少ないように、また、集計・分析がしやすくなるように準備を進めることをおすすめします。

回答の期間やリマインド方法なども決めておきましょう。

従業員への説明

従業員に調査の目的や重要性、率直な意見・気持ちを回答してほしいことや、機密性などについても説明しましょう。

また、調査の結果がどのように活用されるかについても説明し、従業員の協力と参加を促しましょう。

エンゲージメントサーベイを活用した組織改善のサイクル

エンゲージメント向上にサーベイを活用するには組織改善のサイクルを計画するのが重要です。

ここではエンゲージメントサーベイを活用した組織改善の流れについて解説します。

サーベイの実施

サーベイを実施し、従業員からのフィードバックを収集します。

適切な配布方法やタイミングを考慮して、調査の実施を行います。

データ収集と分析

収集したデータを分析し、パターンや傾向を把握します。

回答の項目ごと、部署ごと、役職ごとなどセグメント別でも比較することをおすすめします。

目標設定

サーベイ結果から得られる情報を活用して組織改善の目標を設定します。

データの分析と目標設定により、組織内の課題や改善点を明確にし優先順位を付けていきます。

施策の実行

具体的な改善施策や対策を計画し、実行します。

従業員のフィードバックや意見を積極的に取り入れながら、改善活動を行うと良いでしょう。

効果検証

実施した施策の効果を定量的および定性的に評価し、改善の成果を検証します。

必要に応じて施策の修正や追加を行い、持続的な改善を目指します。

エンゲージメントサーベイの効果を最大化するには

専門チームの発足

エンゲージメント向上において円滑に取り組みを進めるために、専門チームの発足が効果的です。

専門チームでは調査の計画や実施、データ分析、施策の策定などを担当し、プロジェクト全体を管理します。

また、専門チームの発足は、組織内でのエンゲージメント向上の重要性を示すことにも役立ちます。

現場の協力を得る

エンゲージメント向上の成功には、従業員の協力が不可欠です。

従業員や管理者がエンゲージメント向上に積極的になることで、サーベイ結果の正確性が増し、適切な施策を実行できます。

調査の目的や重要性を定期的に周知し、また、調査結果のフィードバックを実施したり、取り組みの方針を共有することで協力的な雰囲気を作っていきましょう。

専門的な視点での分析

エンゲージメントサーベイから得られるデータを最大限活用するためには、専門的な視点でのデータ分析が不可欠です。

統計やデータ分析の専門家や、組織開発の専門家が分析することで、組織の課題や改善点をより明確に把握することができます。

エンゲージメントサーベイの分析方法と活用して組織改善に活かすポイントとは?活用事例もご紹介

エンゲージメントサーベイツールの活用も効果的

設問の信頼性

多くのエンゲージメントサーベイツールでは、産業医や組織開発の専門家が設計した設問が提供されています。調査の信頼性や妥当性を高めるだけでなく、回答者にとっても理解しやすい設問となっています。

集計・分析の負担軽減

集計や分析を容易に行うことができる機能を提供しています。自動化された集計機能や豊富な分析ツールを活用することで、迅速に調査結果を把握し、必要な行動を取ることができます。

専門的なアドバイス

一部のエンゲージメントサーベイツールでは、組織開発における専門的なアドバイスやレポートを提供しています。調査の計画や分析の方法などに関する助言を受けることで、改善プロセスを最適化し、より価値ある取り組みを可能にします。

現場目線のやさしいサーベイ『バヅクリエンゲージメント』

バヅクリエンゲージメントは、課題発見から施策実行までをスムーズに行うことができるサービスです。

高機能でわかりやすい分析が月額300円/人で利用可能

現場の声から生まれた、本当に必要な機能を備えた後発のエンゲージメントサーベイです。

属性/推移/クロス/要因分析がオプションなしの低価格ですべて利用可能です。

スコア低下の原因と対策がわかる要因分析機能つき

簡単に回答できる24問の設問でありながら、網羅的・効率的な設計により本質的なデータが取得可能。

サーベイ後の追加ヒアリング不要で、スコア低下の原因と最適な対策方法までわかります。

エンゲージメント向上に特化した改善施策を提供

エンゲージメント向上に特化した研修/対話型ワークショップの実行までフルサポート。

サーベイの結果をもとに、離職防止・コミュニケーション活性化・心理的安全性の醸成につなげます。

まとめ

エンゲージメントサーベイは従業員のやる気や熱意を測定し、組織改善に役立つツールです。適切な準備や設問設計、専門的な分析を行うことで従業員の声を的確に捉え、効果的な施策を実行することができます。

また、サーベイツールの活用や専門チームの発足などの方法を取り入れることで、組織全体のエンゲージメント向上に貢献できます。

是非この記事を参考にエンゲージメントサーベイの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。