組織のパフォーマンスを向上させるために、ぜひ取り入れてほしいメンタルヘルス研修。
近年、メンタルヘルスの重要性に注目が集まっています。
2015年には規定の企業において、ストレスチェックが義務化されるようになりました。
メンタルヘルス研修の重要性や、実施時にぜひ活用してほしいサービスなどをご紹介していきます。
目次
今取り組むべきメンタルヘルス対策
メンタルヘルスとは「心の健康」を指す言葉です。
近年、よく耳にするようになったこの言葉ですが、どうして働く環境において重要視されるようになったのでしょうか?
メンタルヘルス対策の重要性
メンタルヘルスが原因で会社を休職・退職している人は多く、2020年厚生労働省が実施した調査では、メンタルヘルス不調により連続1ヶ月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は9.2%という結果がでました。
メンタルヘルスからくる心や体の不調は誰がなってもおかしいものではなく、あなたも関係のない話ではありません。
2015年12月から従業員が50人以上いる事業所では1年に1回のメンタルヘルスチェックが義務付けられるようになりました。
従業員の6割以上が職場にストレスを感じている
ストレス社会と言われる現代、ほとんどの会社員がストレスを抱えながら仕事をしていると言っても過言ではないでしょう。
特に若手社員の離職率が高まる企業が多く、ストレスケアやメンタルヘルスケアは企業にとって重要な対策となってきています。
そこでバヅクリHR研究所では、義務化されているストレスチェック制度と併せて、従業員が抱えるストレスの原因や企業が行うべきストレスケア施策のポイントについてまとめました。
下記からダウンロードできますので、従業員のストレスケア施策にお役立てください。
メンタルヘルスの不十分が原因で引き起こす問題
メンタルヘルスの不調が原因で引き起こされる問題は様々あり、労働者だけでなく企業にも影響を及ぼします。
労働者、企業のそれぞれの立場でどのような問題が起こるのかをみていきましょう。
労働者
業務内容や労働環境などの原因からメンタルヘルスが良い状態を保てなくなることで、心や体に問題が出てきます。
主な問題は以下となります。
- うつ病
- パニック障害
- 不安障害
- 適応障害
- 睡眠障害
- 依存症
企業
労働者のメンタルヘルスが不安定になることにより、企業にとっては以下のような問題がでてきます。
社内だけでなく社外にも影響を与えることが考えられます。
- 生産性の低下
- 業績悪化
- 労働者の休職や離職
- イメージ悪化
4つのメンタルヘルスケア
先ほどご紹介したような問題を避けるため、厚生労働省は「4つのメンタルヘルスケア」を推奨しています。
4つのメンタルヘルスケアとは以下になります。
1. セルフケア
セルフケアとは、自身で行うケアのことを指します。
- 自身の考え方のクセやストレスになることを知る
- ストレスの解消の方法を知る
などが、セルフケアに含まれます。
自分自身を良く知ることはストレスの軽減に繋がるのです。
2. ラインによるケア
ラインによるケアは、上司や管理職のメンバーが部下である従業員に対し行うケアのことを指します。
業務中の様子を近くで見ていることも多い上司は、従業員の不調や異変に気がつきやすい立場と言えます。
上司や管理職にあたるメンバーは、部下のメンタルヘルスのケア方法を知っておく必要があります。
3. 事業場内産業保健スタッフによるケア
事業所内に在籍する産業医や保健師などが行うケアのことです。
医師など資格の持った人が職場に在籍し、気軽に相談できるというだけで、従業員の心が軽くなる場合もあります。
また、上司や同僚など距離の近い存在には相談しにくいことも、産業医や保健師であれば話せることも多くあります。
4. 事業場外資源によるケア
社外スタッフや、外部機関のスタッフなどによるケアのことを指します。
より専門的な知識を持ったスタッフのサポートを受けることができるのがメリットです。
企業のメンタルヘルス対策には研修がおすすめ
メンタルヘルスを良い状態に維持するためには様々な方法がありますが、研修を実施することをおすすめします。
研修を行うことによるメリット
メンタルヘルスの不調から起こる心の病気は気づきにくく、また、体に起こる問題もメンタルが原因であるとわかりにくいものです。
しかし、メンタルヘルスに関する研修を実施することで、メンタルヘルスの不調からくる問題が心や体に出てきた時、すぐに気が付くようになります。
問題が早期発見できることで、対処がしやすくなります。
その他、少し不調がでてきた時点で改善策を実施できるため、メンタルヘルスによる心や体の病気の重症化の防止にもなります。
メンタルヘルスが安定することで、組織の生産性は向上するでしょう。
また、メンタルヘルスが良い状態で維持できる環境は働きやすい職場であると認識されるので、離職率の低下も見込めます。
研修のポイント
ぜひ取り入れたいメンタルヘルス研修ですが、研修のポイントをご紹介します。
ポイントを押さえ効果的な研修を実施しましょう。
1. 基礎知識を得る
まず、メンタルヘルスの不調からくる病気の症状や、そのような状態になってしまう原因など、基礎知識を得ることが大切です。
しっかりと不調の原因を知ったり、基礎知識を得たりすることで、メンタルヘルスの不調が出てきた際にふさわしい対応ができるようになります。
2. 自分のことを知る
自身の思考のクセや、どのようなことにストレスを感じやすいかなど、自分を良く知ることはメンタルヘルスを良い状態に維持するためにとても大切なことです。
3. コミュニケーションスキルを得る
メンタルヘルスの不調を早期発見するためには、周囲の人と会話をしたり、助けを求めやすい環境を作ったりすることが大切です。
また、上司や管理職にあたるメンバーは、部下の異変に気づいた際スムーズに対応できるよう円滑なコミュニケーションが取れるようにしておかなくてはいけません。
研修のおすすめプログラム
ここでおすすめの研修プログラムをご紹介します。
以下のプログラムは、研修やワークショップの企画・運営を行うサービス「バヅクリ」を利用し実施することも可能です。
バヅクリを活用することで、その業界のプロの講師を招き研修やイベントを実施できるだけでなく、社内負担を90%も削減することができます。
1. レジリエンス研修
レジリエンスとは心理学の用語で「心の回復力」を指します。
- 「私の元気スイッチ」プレゼン大会
- ビジネスパーソン川柳大会
などのワークを通して、レジリエンスを高めていきます。
個人で行うワークだけでなく、グループワークもプログラムの中に含まれているので、参加者同士のコミュニケーション機会を作り出すことも可能です。
2. マインドフルネス
マインドフルネスは、仏教で行われる瞑想から宗教的な部分を取り除き、マサチューセッツ工科大学により開発された、ストレスの軽減方法です。
その効果は化学的にも認められ、Google、Apple、Facebookなどの企業でも取り入れられています。
バヅクリのプログラムでは、マインドフルネスはどういったものかを学んだ上で、実践に入っていきます。
3. ヨガ
ヨガを行い体をリフレッシュさせることで、心もリフレッシュすることができます。
バヅクリのヨガワークショップは、1人で黙々とヨガをするだけでなく、その他の参加者とコミュニケーションを取りながら行うワークもプログラムに含まれています。
おすすめの研修サービス
メンタルヘルス研修を実施する際、社内に適切な講師がいない場合や、実施のノウハウが十分でない場合は、社外サービスを活用することをおすすめします。
クオリティの高い研修を実施できるだけでなく、上手にサービスを利用することで社内負担を削減することも可能です。
それではいくつかおすすめのサービスを、
- 対面での研修
- オンラインでの研修
の2つのスタイルに分けてご紹介していきます。
対面での研修
1. インソース
様々な研修を企画・運営しているインソース。
年間受講者は59万人を超えています。
同社ではストレスケア研修も運営しています。
座学やワークを通し、ストレスのメカニズムや、自分の思考のクセを知り、ストレスをコントロールする方法を学びます。
この研修は対面だけでなくオンラインでの実施も可能です。
https://www.insource.co.jp/bup/bup_mental_self.html
2. パーソル総合研究所
組織のコンサルティングや、人材育成などを手がけるパーソル総合研究所。
研修も数多く運営しており、同社のメンタルヘルス研修では
- 管理職
- 一般社員
の受講者層を分けてプログラムを作成。
それぞれの受講者にあった研修の実施ができます。
https://rc.persol-group.co.jp/learning/stratified/labor_mgt/mentalhealth.html
オンラインでの研修
1. ピースマインド
ピースマインドは、働く人の心のケアや、メンタルヘルスを良い状態に維持するためのサポートを行うサービスを提供する企業です。
従業員支援プログラム ( EAP : Employee Assistance Program ) により、電話、対面、オンラインでのカウンセリングを従業員や、管理職に向けて行います。
同社はセミナーやイベントも開催しており、
- セルフケア研修
- ハラスメント防止研修
- ラインケア研修
などを開催しています。
https://www.peacemind.co.jp/event/info
2. Schoo
動画の視聴や、オンライン研修などを通し学びを深められるサービスのSchoo。
同社では様々な研修や動画を配信しており、導入企業は2,000社を超えます。
- レジリエンス強化研修パッケージ
- レジリエンス基礎研修パッケージ
- ストレスマネジメントパッケージ
などのメンタルヘルスに関する研修パッケージを提供しています。
https://schoo.jp/biz/theme/mental-health/
対面・オンラインどちらも対応可能な研修
バヅクリ
研修やワークショップの企画・運営を行うバヅクリ。
参加者満足度は97%を誇り、企画から運営までをお任せできるので、社内負担を85%も削減することが可能です。
同社の講座はその他の参加者とコミュニケーションを取りながら行うプログラムが多いのが特徴です。
数多くのプログラムの中から自社にあったものをチョイスでき、
- レジリエンス研修
- マインドフルネス
- 写経
- ヨガ
など、メンタルヘルスに関する研修も実施しています。
メンタルヘルス研修の導入事例
それでは最後に、メンタルヘルス研修を実施している企業の事例をご紹介します。
1. 教育委員会
管理職を対象とした「ラインケアのための傾聴法講習会」を実施し、研修では座学だけでなく、病休・休職に伴う事務手続きの実習なども行っています。
管理職になることで不安を感じる教員も多い中、研修を通して同じ立場である教員同士の繋がりができることに加え、現場で役立つ対応方法を学ぶことができるため不安の解消にも役立っているそうです。
厚生労働省
2. 株式会社CACマルハニチロシステムズ
同社では外部講師を招き、メンタルヘルス研修を実施。
社員の約半数にあたる29名が参加し、オンラインで講義やグループワークを行いました。
1人1回は必ず発言する機会が与えられました。
株式会社CACマルハニチロシステムズ
3. 有限会社楽寿会
メンタルヘルスに関する講義に加え、ストレスの緩和方法などを学びました。
「ストレスと上手に付き合い、溜め込まないようにしたい」との感想がでました。
参考:メンタルヘルス研修
有限会社楽寿会
まとめ
従業員のメンタルヘルスが不調であると労働者だけでなく、企業にも影響が出ます。
企業はストレスチェックを定期的に行い、労働者の精神状況を把握しておく必要があります。
「ヒト」は大事な経営資源。
従業員がなくては組織は成立しません。
従業員のメンタルヘルスを良い状態に維持できるよう、企業はサポートをしましょう。